歯科保存治療 ④

歯内療法とは②

歯内療法とは?

抜髄や感染根管治療を行った歯は、根管内に再び細菌が侵入しないよう生体に無害なゴム状の物質で、根管を隙間なく緊密にふさぐ必要があります(根管充填)。このような治療によって、抜髄した歯では根尖歯周組織の健康が保たれ、また感染根管治療を行った多くの歯では根の病気も回復に向かいます。しかしこれらの治療は、熟練した治療技術や時間を要し患者さんの負担も大きいほかに、このような治療を行った歯は構造的にも弱くなり、歯の根が割れる(破折)こともあります。このため、これらの治療を行わないですむよう、早い段階で歯髄の健康維持を図る治療を行うにこしたことはありません。

歯内療法は、これらの治療の他にも歯を保存するため、病気の根を外科的に処置する外科的歯内療法、歯を打撲したことにより破折した歯や抜け落ちた歯を元に戻す治療(再植)、変色した歯の漂白など、歯を保存するための治療を幅広く行っています。また最近では、治療用の顕微鏡を用い治療を行うなどの最新の技術の導入も積極的に図られております。

あみのデンタルクリニック

歯科保存治療 ③

歯内療法とは ①

歯内療法とは?

虫歯(う蝕)を放置すると、やがて細菌の産生する毒素や細菌自体が歯の内部にある歯の神経(歯髄)まで到達し、病気(歯髄炎)を引き起こします。病気の初期の症状は、冷たいものに短時間しみるなどの軽いものですが、この段階でう蝕に気づけば、刺激を遮断し歯髄を保護することによって治療は簡単に終了します。

しかし、そのまま放置すると冷たいものに長い時間、痛みが誘発されるなど症状は悪化し、やがて何もしなくても痛みが起こる(自発痛)ようになり、痛みは歯とは無関係な側頭部や肩などの広い範囲に波及するようになります(関連痛)。さらに放置すると、歯髄は化膿し、拍動性のズキズキするような痛みが起こり、夜も寝られないような状態になって歯髄の除去(抜髄)が必要となります。

治療を行わずそのまま放置しても、歯髄が死ぬことによって痛みは止まります。しかし歯髄の死により痛みが止まっても、歯の内部には多数の細菌がそのまま生息し、やがて歯の根の尖端の血管などが入ってくる小孔(根尖孔)から、歯の根の周囲の組織(根尖歯周組織)に細菌の影響が及び、病気が拡大し歯の根の病気(根尖性歯周炎)が成立します。この段階になると、激しい痛みが起き歯茎(歯肉)や顎の周囲が腫れたり、また炎症により骨の内部に膿がたまり骨が破壊されるため、歯科医院でエックス線撮影を行うと、根の尖端に黒い影があるといわれる状態になります。このような状態になると、原因となっている歯の内部の感染した腐敗産物や細菌を徹底的に除去し消毒を行う必要があります(感染根管治療)。しかし歯の根の内部の空洞(根管)は、細く複雑に曲がりくねっていることもあるため、歯の種類によっては治療が非常に困難なものもあります。

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