フッ化物配合歯磨剤の虫歯予防効果を期待するには、フッ素が口腔内に長く留まることが必要ですが、使用後の過度のすすぎは口腔内に留まるフッ素を減らします
現在はフッ化物配合歯磨剤による歯磨き後、約15mlの水で一回(5秒程度)の少量洗口が推奨されています
フッ化物配合歯磨剤の虫歯予防効果を期待するには、フッ素が口腔内に長く留まることが必要ですが、使用後の過度のすすぎは口腔内に留まるフッ素を減らします
現在はフッ化物配合歯磨剤による歯磨き後、約15mlの水で一回(5秒程度)の少量洗口が推奨されています
フッ化物配合歯磨剤の効果を高めるには、再石灰化を促進する有効濃度のフッ素を長時間口腔内に保持することが必要です
つまり、口腔内のフッ素を保持させるために、
洗口量を少なくする、一日の使用回数を多くすることなどがポイントです
フッ化物配合歯磨剤は、吐き出し、洗口したあとでも微量のフッ素が口腔内にとどまります
とどまったフッ素が再石灰化の促進に有効な濃度(0.05〜0.1ppmF)以上存在することで、
吐き出した後も再石灰化は促進されます
ただし、有効濃度以上のフッ素がとどまる時間は、使用方法によって短くなってしまいます
虫歯はさまざまな原因が重なり合って発症する多因子性疾患なので、フッ化物配合歯磨剤を使っていれば虫歯にならないと言うものではありません
フッ化物配合歯磨剤
正しいブラッシング
食事コントロール
の3つを実行することが大切です
フッ化物配合歯磨剤については、世界中で数多くの質の高い臨床研究が行われ、虫歯の発生を抑制することが証明されています
フッ化物配合歯磨剤を使うことで、10本虫歯になるはずの歯のうち2〜3本が虫歯にならなくてすみます
つまり、フッ化物配合歯磨剤の虫歯抑制率は、2〜3年の期間で20〜30%になります
WHO(1994)は、さらに継続してフッ化物配合歯磨剤を使用すると、虫歯抑制率は高まるという見解を公表しています
一般の歯磨き粉では、プラーク除去による虫歯予防効果は期待できますが、100%プラークを取り除く事はできません
フッ化物配合歯磨剤を使うと、プラークの中にいる虫歯菌の働きを弱めて、酸が作られるのを抑えます
さらに、フッ素が再石灰化を促進し、初期虫歯を自然に修復します
歯は毎日脱灰と再石灰化を繰り返しています 食事やおやつでお口の中の酸性が高まると、歯からカルシウムなどのミネラルが溶け出しますが(脱灰)、通常は唾液の作用で溶け出たミネラルが再び歯に沈着する再石灰化が起こります 食事の回数が多かったり、ダラダラ食べているなど、長時間酸性状態が続くと、再石灰化よりも脱灰が進んで、初期虫歯に穴が空いてしまいます
虫歯が進行し穴が空いてしまうと元には戻りません
しかし、フッ化物配合歯磨剤などのフッ素の積極的な応用を、適切なブラッシングと食事コントロールなどと組み合わせることによって、ごく初期の虫歯(ホワイトスポット)なら、進行を停止したり、修復することができます
歯茎がさがり、歯の根の部分が露出してくると、そこに虫歯ができることがあります
この虫歯を「根面う蝕」と言い、年をとるごとに増加する傾向があります
この虫歯は発見しにくく、治療が難しいため、歯を失うことにもなりかねません
根面以外にも詰め物の周辺や矯正治療中の歯など、大人も虫歯の危険があります
アメリカやヨーロッパなどの先進国では、1970年代から80年代にかけて著しい虫歯の減少が見られます
虫歯が急減した国々に共通しているのは、フッ化物配合歯磨剤のシェアの上昇です
日本でも同様に、虫歯の減少の要因はフッ化物配合歯磨剤の利用であるという傾向が見られます